200945日 米国大統領オバマのプラハでの演説


                                               訳:藤井悦子さん (アジェンダ・プロジェクト)

   皆さん、本当にありがとう。皆さん、こんなすばらしい歓迎をありがとう。プラハの市民に感謝
  します。チェコ共和国の国民に感謝します。(拍手)今日私は、この偉大なる都市の中心で、
  ヨーロッパの中心で、皆さんとともにあることを誇りに思います。(拍手)そして、前に発言した
  方の一人の言葉を借りれば、私もまたミッシェル・オバマをプラハに連れてきた男であることを
  誇りに思っています。(拍手)

  大統領、首相、ここにおられるすべての高官の皆さん、たいへんな歓待をしていただいて
  ありがとうございます。そしてチェコ共和国の国民の皆さん、皆さんの合衆国への友情に感謝
  します。(拍手)

  私は何年もの間に、故郷のシカゴにいるチェコ人の皆さんの楽しい交流や磨かれたユーモアが
  わかるようになりました。(拍手)私の背後には、チェコ国民の英雄・・
Tomas Masarykの像が
  あります。(拍手)
1918年、米国がチェコの独立を固く約束した後に、Masaryk10万人以上は
  いたというシカゴの群衆に向かって演説をしました。私が彼の記録に対抗できるとは思いませんが
  ・・(笑い)・・
  しかし私は、シカゴからプラハまでの彼の足跡をたどることができて光栄です。(拍手)

  1000年以上の間、プラハは他のどんな地域のどんな都市からも独立していました。皆さんは戦争
  と平和を経験してきました。皆さんは帝国が興り滅ぶのを見てきました。皆さんは芸術と科学に
  おいて、政治において、そして詩において、数々の革命を導いてきました。そのすべての時期を
  通じて、プラハの市民は自らの生き方を追求し、自らの運命を決定することを強く主張してきました。
  そしてこの都市は・・古代から存在しながら若々しくもあるこのすばらしい都市は・・他国から
  支配されない皆さんの精神を、そのままに伝える記念碑なのです。

  私が生まれたころ、世界は分断されており、わが両国はたいへん異なった状況に直面していました。
  私のような人間がいつの日か合衆国の大統領になるだろうなどと予測した人はほとんどいなかった
  でしょう。(拍手)アメリカ大統領がいつの日かプラハでこのように聴衆に向かって演説すること
  を許されるだろうなどと予測した人はほとんどいなかったでしょう。(拍手)チェコ共和国が
  自由主義の国になり、
NATOの一員となり、統一された欧州のリーダーになるだろうと想像した人は
  ほとんどいなかったでしょう。そのような考えは、夢物語として退けられてしまっていたでしょう。

  私たちが今日ここにいるのは、世界は変わることはできないのだという声を無視する人が十分いた
  からです。
私たちが今日ここにいるのは、立ち上がって、たとえ壁のどちら側で生活していようとも、
  そしてどのような外見をしていたとしても、自由はすべての人々にとっての権利であると主張する
  危険をおかした人々の、勇気のおかげなのです。私たちが今日ここにいるのは、プラハの春の・・
  自由と機会の単純で原則的な追求が、戦車や武器の力に依存して民衆の意志をくじこうとした人々を
  恥じさせたおかげなのです。

  私たちが今日ここにいるのは、20年前に、この都市の市民が、新時代の約束と、非常に長いあいだ
  彼らに与えられなかった基本的人権とを要求するために、街頭に繰り出したおかげなのです。
Samtová
   Revoluce
・・(拍手)ベルベット革命は私たちに多くのことを教えてくれました。革命は私たちに、
  平和的な抗議は、帝国の土台を揺るがし、イデオロギーの空虚さを暴露することができるのだという
  ことを示しました。革命は私たちに、小さな国々は世界の出来事の中でとても重要な役割を果たすこと
  ができ、若者たちは古い争いを克服する際に、先頭に立つことができるのだということを示しました。
 (拍手)そして革命は、道徳的なリーダーシップはどんな兵器よりも力強いのだということを証明した
  のです。

 そのおかげで、私がこの平和で統一された自由な欧州の中心で皆さんにお話ししているのです・・
  普通の人々が、彼らのリーダーたちがそう思わなかったときにも、分断されたものの間にかけ橋を
  架けることが可能だと信じたからなのです。人びとは、壁は倒れ得るのだ、平和が広がることは
  可能なのだと信じたのです。

 私たちが今日ここにいるのは、アメリカ人とチェコ人が、たいへんな困難に立ち向かって、今日の
  ような状況は可能だと信じたからなのです。(拍手)

 今日、私たちはこの共通の歴史を共有しています。しかし今日、この世代・・私たちの世代はじっと
  立ち上がることができないでいます。私たちもまた、選択すべきことがあります。世界は、分断が
  少なくなってきたのにつれて、より相互につながるようになっています。そして私たちは、危機に
  ある地球規模の経済、気候変動、いまだに続く古い争いの危険性、新たな脅威や、壊滅的な兵器の
  拡散など、出来事が私たちのコントロールできる以上に速く進行するのを見てきました。

 これらのどの課題も、早く簡単に解決することはできません。しかしそれらの課題のすべてが、
  私たちが互いに耳を傾けてともに努力することを、私たちがその時々の差異にではなく共通の利益に
  焦点をあてることを、そして私たちの共有する価値を再確認することを求めているのです。なぜなら、
  そのようにすることが、私たちを引き離すことのできるどんな力よりも強いからです。それは私たち
  がやり遂げなければならない仕事です。その仕事を始めるためにこそ、私は欧州にやってきたのです。
  (拍手)

 今の繁栄を刷新するために、私たちは国境をこえて調整された行動が必要です。それは、新たな職を
  作り出すために投資することを意味しています。それは、成長の途上にたちはだかる保護主義の壁に
  抵抗することを意味しています。それは、職権乱用と将来的な危機を防止するための新しいルールに
  よって、私たちの財政システムを変更することを意味しているのです。(拍手)

  そして私たちには、最も苦しんでいる新興市場や困窮した人々たとえ金融危機がほとんど何も
  彼らのせいではなかったかもしれなくてもに手を差し伸べるという、私たちの共通の繁栄と人間性
  に対する義務があります。それゆえに私たちは、今週初めに、国際通貨基金用に
1兆ドル以上を担保
  しました。誰もが、誰でもが、なんらかの援助を受け取ることを確実にするためです。(拍手)

 さて、私たちの惑星をまもるために、今こそ私たちのエネルギーの使い方を変えるときです。(拍手)
  共に、私たちは気候変動に立ち向かわなければなりません。化石燃料への世界の依存を終わらせる
  ことによって、風や太陽のような新たなエネルギー資源の力を利用することによって、そしてすべて
  の国々に自らの分担をはたすよう呼びかけることによって。そして私は皆さんに宣誓します。この
  全地球的な努力において、合衆国はもう先頭に立つ覚悟ができています。(拍手)

  私たちは共通の安全に資するために、同盟を強化しなければなりません。NATO60年前、共産主義
  がチェコ・スロバキアの支配権を握ったあとに創設されました。そのとき自由世界は自分たちが
  分裂しているような余裕はないのだと悟ったのですが、それはあまりにも遅すぎました。だから
  私たちは、世界でこれまでに知られる最強の同盟を作るため、団結しました。これは今でもそう
  すべきことですが。・・そして協力し合い・・毎年毎年、
10年さらに10年と・・とうとう鉄の
  カーテンが開かれ、自由が流れる水のように広がったのです。

  今年はチェコ共和国の国民がNATOの一員となって10年目の記念すべき年です。そして私は、20世紀
  には何回も、皆さん抜きで決定が行われたことを知っています。超大国が皆さんを失望させ、
  あるいは皆さんの声を聞かずに皆さんの運命を決定しました。私はここに宣言します。合衆国は
  二度とこの国の国民に背を向けることはありません。(拍手)私たちは共有された価値観、共有
  された歴史によって結びついています・・(拍手)私たちは共有された価値観と歴史、そして私たち
  の同盟という恒久的な約束によって結びついているのです。
NATO(北大西洋条約機構)の第5条は
  次のことを明確に宣言しています:一国に対する攻撃は、すべての諸国に対する攻撃である。それは
  私たちの時代の、そしてすべての時代にわたる約束です。

 チェコ共和国の国民は、アメリカが攻撃されたあと、その約束を守り続けました;わが国土の上で
  何千人もの人々が殺され、
NATOが応じました。NATOのアフガニスタンでの任務は、大西洋の両側
  の人々の安全にとって非常に重要なものです。私たちは、ニューヨークからロンドンまでを攻撃した
  同じアル・カイダのテロリストたちを標的にしており、そしてアフガンの人々が自らの将来に責任を
  もつことを援助しています。私たちは自由主義諸国が、共通の安全のために共通の大義を持つことが
  できることを示しています。そして私は皆さんに知ってほしいのです。私たちは、この努力において
  チェコ国民が払った犠牲を称えており、皆さんが失ってしまった人々を[私たちもまた]追悼して
  いるのだということを。

 しかしどの同盟も坐して待つ猶予はありません。私たちは、たとえそれがどこから来ようとも、
  新たな脅威に適切に対処するための緊急事態計画を持つため、
NATOの一員としてともに努力しなけ
  ればなりません。私たちは、互いに、そして世界中の他の諸国や諸団体との協力を強化して、国境
  を意に介さない危険に立ち向かわなければなりません。そして私たちは、共通の関心事について、
  ロシアとの建設的な関係を作るよう追求しなければなりません。

 ところで、私が今日これから焦点を当てる諸問題の一つは、私たちの諸国の安全や世界の平和に
  とって非常に重要なものですが・・それは、
21世紀における核兵器の今後ということです。

  何千という核兵器の存在は、最も危険な冷戦の遺物です。合衆国とソ連の間では核戦争は戦われ
  ませんでしたが、何世代もの人々が、一瞬の閃光のうちに世界が消されてしまうかもしれないという
  ことを知りながら生活していました。もしそうなっていたら、プラハのような、何世紀もの間存在
  してきて、こんなにも多くの人類の美や才能を体現してきた都市が、存在することをやめてしまった
  かも知れないのです。

  今日、冷戦は姿を消しましたが、何千ものそれらの兵器はなくなっていません。歴史が奇妙に転回
  して、地球規模の核戦争の脅威は低下しましたが、核攻撃の危険性は増したのです。より多くの
  諸国がこれらの兵器を獲得しました。[核]実験が続いています。核機密と核物質の闇市場での取引
  があふれています。爆弾を作る技術は拡散してきました。テロリストたちは買ったり、つくったり、
  盗んだりする気でいます。これらの危険性を封じ込めるための私たちの努力は、地球規模の不拡散
  体制に集中していますが、より多くの人々や国家がルールを破るので、私たちはその集中的努力の
  中軸が持ちこたえられなくなるような地点にまで到達してしまうかもしれません。

 さて、おわかりのように、このことはあらゆる地域の人々にとって重大な問題です。一つの核兵器が、
  ある一つの都市で爆発したら・・それがニューヨークかモスクワか、イスラマバードかムンバイか、
  東京か、テルアビブか、パリかプラハか、どこであろうとも・・何十万もの人々を殺してしまう
  でしょう。そしてそれがどこで起ころうとも、それが必然的にもたらす結果には限りがありません。
  我々のグローバルな安全、安全保障、社会にどう影響するのか、そして最終的に我々の生存がどう
  なってしまうのか。

  次のように論じる人々もいます。これらの兵器の拡散は止めることも抑制することもできない、
  私たちはより多くの諸国や人々が究極の破壊兵器を保有するような世界で生きることを運命づけられ
  ているのだと。このような宿命論は致命的な敵です。なぜなら、もし私たちが核兵器の拡散が避け
  られないと信じるならば、ある意味で、私たちは、核兵器の使用は避けられないのだということを、
  自分自身に認めさせていくからです。

  私たちが自由のために20世紀に立ち上がったように、21世紀においては、私たちはあらゆる地域の
  人々が恐怖を免れて生きる権利のために、ともに立ち上がらなければなりません。(拍手)そして、
  核大国として・・核大国として、核兵器を使用したことのある唯一の核大国として、合衆国には
  行動する道義的な責任があります。私たちはこの努力において、一国では成功できません、しかし
  米国はその先頭に立ち、それを開始することができます。

  故に今日、私は、核兵器のない世界の平和と安全とを追求するというアメリカの責任を、明確に
  確信を持って宣言します。(拍手)私は世間知らずなわけではありません。このゴールには早く到達
  することはできないでしょう・・・おそらく私が生きている間には。忍耐と粘り強さが必要でしょう。
  しかし、今ここにいる我々の世代もまた、「世界は変わることはできない」と私たちに言う声を
  無視しなければなりません。私たちはこう主張しなければならないのです。「
Yes, we can(そうだ、
  私たちはできる)」と。(拍手)

 さて、そのためにはこれから私たちがどういう道筋をたどるべきかを説明しましょう。最初に、
  合衆国は、核兵器のない世界に向けた現実的な措置をとるでしょう。冷戦思考に終止符を打つために、
  私たちは国家安全戦略における核兵器の役割を減らし、他の諸国にも同じことをするよう促すでしょう。
  間違ってはなりません:これらの兵器が存在する限り、合衆国は、いかなる敵をも阻止するための、
  安全で、確実で、かつ効果的な武器庫を維持し、チェコ共和国を含む私たちの同盟諸国にその兵器に
  よる防衛を保障するでしょう。しかし私たちは、私たちの武器庫を削減する作業を始めるでしょう。

  私たちの持つ実弾頭と備蓄の核弾頭を削減するために、私たちは今年、ロシアと新しい戦略兵器
  削減条約を交渉します。(拍手)メドヴェージェフ大統領と私はロンドンでこのプロセスを開始
  しました。そして年末までに法的拘束力があってかつかなり踏み込んだ新たな合意を得ようとします。
  そしてこの条約は更なる削減のための段階を設定し、私たちはすべての核兵器国家をこの努力に関与
  させようとします。

 全地球規模の核実験の禁止を達成するために、わが政権は、ただちに積極的に、合衆国が包括的
  核実験禁止条約を批准するようにします。(拍手)
50年以上も協議をしたのですから、もはや核実験
  は最終的に禁止されるべき時期です。

 そして爆弾の製造に必要な材料の製造を削減するために、合衆国は、国家保有核兵器における使用を
  目的とする核分裂性物質の生産の停止を検証しうる新しい条約を追求します。私たちが真剣にこれらの
  兵器の拡散を止めようと思うならば、私たちは核兵器を作り出す兵器級物質をその目的に特定して
  生産することに終止符を打つ必要があるでしょう。それが最初の段階です。

  第2に、ともに、私たちは核不拡散条約を、協力のための基礎として強化していきます。

 基礎となる協定は堅固です:核保有国は軍縮に向かい、非核保有国は核兵器を獲得せず、すべての
  国々は平和的な核エネルギーを入手できます。条約を強化するために、私たちはいくつかの原則を
  大切に掲げるべきです。私たちは、国際的な査察を強化するためには、さらなる手段と権限が必要
  です。私たちは、条約に違反したり、理由無く条約を離脱したりしていることが認められた諸国に
  対する、現実的ですばやい処分を出す必要があります。

 そして私たちは、民生用の核協力のために、国際燃料銀行を含む、新たな枠組みを作るべきです。そう
  すれば、諸国は拡散の危険性を増大させることなく、平和的な[原子]力を入手することができます。
  それは核兵器を断念するあらゆる国、とくに平和的な計画に乗り出す開発途上国の権利でなければなり
  ません。そして、もしルールに従う諸国の権利を否定することに基礎をおくなら、どんなアプローチも
  成功しないでしょう。私たちは、気候変動と闘い、すべての人々のための平和の機会を前進させると
  いう、私たちの努力に資するように、原子力を利用しなければなりません。

 しかし、私たちは幻想を持たずに進みます。ルールを破る諸国もあるでしょう。それゆえに、私たちは、
  もしいずれかの国がルールを破ったら、それらの諸国は処分に直面するという、新しい仕組みが働く
  ようにする必要があるのです

 ちょうど今朝、私たちは、なぜこの脅威に対処するためには、新たな、より厳格なアプローチが必要なの
  かを、再び思い起こさせられました。北朝鮮は、長距離ミサイルとして使用可能なロケットの実験を行う
  ことにより、またもやルールを破りました。この挑発は、これらの兵器の拡散を阻止するためには、今日
  の午後の国連安全保障理事会でのみならず、私たちの決断において、行動する必要があることを強調する
  ものです。

 ルールは拘束力がなければなりません。違反は罰せられなければなりません。言葉は意味あるもので
  なければなりません。世界はこれらの兵器の拡散を阻止するためにともに立ち上がらなければなりま
  せん。今こそ強い国際的な対応が求められています・・(拍手)・・いまこそ強い国際的な対応が
  求められており、北朝鮮は、安全と尊敬への道は、脅威と違法な兵器によっては、決して得られない
  ということを知らなければなりません。すべての諸国は、より強い、地球規模の体制をつくるために、
  ともに進まなければなりません。そして、だからこそ、私たちは肩を並べて、北朝鮮の人々に路線を
  変更するように圧力をかけるべく立ち上がらなければなりません。

 イランはまだ核兵器を作ってはいません。わが政権では、相互の利益と相互の尊敬とにもとづいた、
  イランとの契約を追求します。私たちは対話を信じます。(拍手)しかしその対話において、私たちは
  明確な選択を提示するでしょう。私たちはイランに、国際社会において、政治的にも経済的にも正当な
  位置を占めるよう求めます。私たちは厳密な査察によって、イランの平和的な核エネルギーに対する
  権利を援助するでしょう。それがイスラム共和国のとりうる道です。さもなければ、イラン政府は、
  孤立や、国際的な圧力や、その地域における全ての国の不安定さを増大させることとなる核兵器競争
  の可能性への道を選ぶことになるでしょう。

 ですから、はっきりさせましょう。イランの核と弾道ミサイルの活動は、合衆国のみならず、イランの
  近隣諸国や、私たちの同盟諸国にも現実の脅威を引き起こしています。チェコ共和国とポーランドは
  勇気をもってミサイル防衛を主体的に引き受けることに同意しました。イランからの脅威が持続する
  限り、私たちは、対費用効果があり、性能が検証されているミサイル防衛システムをさらに進めます。
  (拍手)もしイランの脅威が取り除かれるなら、私たちは安全のためのより強固な基礎を持ち、
  ヨーロッパでのミサイル防衛構築の推進力は取り除かれます。(拍手)

 それゆえに最後に、私たちはテロリストが決して核兵器を手にしないことを確実にしなければなりません。
  これは、地球の安全にとって最も緊急で極度の脅威です。一人のテロリストが一つの核兵器を持てば、
  大量破壊を引き起こすことが可能なのです。アル・カイダは、核爆弾を手に入れようとしており、
  それを使用しても何の問題もないと言い続けています。そして私たちは安全が確保されていない核物質
  が地球のいたるところにあるということを知っています。人びとを守るために、私たちは遅れること
  なく、目的意識を持って行動しなければなりません。

 ですから今日、私は世界中の安全上危うい核物質を4年以内に確保する新たな国際的な試みを発表します。
  私たちは新たな基準を設定し、ロシアとの協力を拡充し、それら不安定な核物質の流通を阻止するため
  の、新たなパートナーシップを追求するでしょう。

 私たちもまた、闇市場を終わらせ、輸送されている物資を見つけて収奪し、財政手段を用いて危険な
  取引を止めさせるための、私たちの努力を積み重ね続けなければなりません。この脅威は続くでしょう
  から、私たちはともに「拡散に対する安全保障構想(
PSI)」や「核テロリズムと対抗するグローバル・
  イニシアティブ(
GICNT)」のような努力を、永続性のある国際制度へと転換させるべきです。そして
  私たちは、合衆国が来年中に主催する予定である「核の安全保障に関する地球サミット」を開催する
  ことからはじめるべきでしょう。(拍手)

 さて、私たちがこんな一般的なアジェンダにもとづいて実行することができるのか疑問を持つ人がいる
  ことはわかっています。国家間の違いが克服できない点を考えるとき、真の国際協力が可能かどうかを
  疑う人もいます。そして、核兵器のない世界に関する話を聞いても、到達不可能のように見えるゴール
  を設定することに価値があるのかどうか疑う人もいます。

 しかし間違ってはいけません。私たちは、道がどこに導いてくれるのかを知っています。国家や国民が
 自らの差異にもとづいて境界線を引くことを許せば、それらの間の溝は広がります。平和を追求でき
 なければ、平和は永遠に私たちがつかむことのできないところにあり続けるのです。私たちは希望よりも
 恐れを選択した場合にどうなるかを知っています。呼びかけを公然と非難したり無視したりすることは、
 簡単ですが卑怯なことです。そのようにして戦争は始まるのです。そこが人類の進歩の終焉なのです。

 わが世界には、立ち向かわねばならない暴力と不正があります。私たちは、分裂することによってでは
 なく、ともに立ち上がることによって、それに立ち向かわなければなりません。自由主義諸国として、
 自由な市民として。(拍手)武器を求める声は、武器を降ろそうという声よりも、男性や女性たちの魂を
 揺り動かしうるのだということを私は知っています。しかしだからこそ、平和と進歩を求める声を、
 ともに張り上げなければなりません。(拍手)

 それらはプラハの街にいまだ響き渡っている声です。それらは1968年から蘇ってここにいる魂です。
  それらはベルベット革命の喜びに満ちた声でした。かれらは、核武装した帝国を倒すのを、一発も
  撃つことなく手伝った、チェコの人々でした。

 人間の運命とは、それを使って私達が作っていくものなのです。そしてここプラハで、私たちは
  より良い未来に到達することで、私たちの過去を称えましょう。分断された私たちの間に橋を架け、
  希望にもとづいてことを進め、この世界を、私たちの知る何よりも繁栄して平和な状態にするための
  責任を受け入れましょう。(拍手)力を合わせれば、私たちはそれを成し遂げることができるのです。

  本当にありがとうございました。ありがとう、プラハ。(拍手)