■ 「棄民の国、日本-以下にこれを克服するか?」
  (小田実・木戸衛一編『ラディカルに<平和>を問う』小田実/土井たか子/加藤周一/ダクラス・ラミス/木戸衛一
     法律文化社 2005/8/25)

★震災後市当局が真っ先にやったこと
  ・・・・(阪神・淡路)大地震の翌日、火災が続き、多くの人が瓦礫の下に埋もれていた1月18日の朝、神戸市はいったい何を
  していたか。 まずは新聞記事を紹介しましょう。 
   
   「後で知って驚いたことがある。 火災がなお続き、多くの人が瓦礫の下に埋もれていた地震の翌日、都市計画局
   の職員約200人が自転車やバイクで市内に散った。 救出のためではない。 都市計画の基礎資料とするため、
   地区ごとに建物の倒壊、消失度合いを調査したのだ。 局幹部でさえ、「こんなことをしていいのか」と葛藤があった
   という。」 (毎日新聞 1995/3/30朝刊)

  
つまり、われわれが死にかけているときに、神戸市の都市計画局は、ぐるっと回って、どこが一番つぶれているかを調べたの
  です。どこが一番つぶれているかを調べて、彼らが金庫のなかに入れていた都市再開発計画をいかに安あがりに早く実行
  できるかを見に行ったわけです。 200人もの職員を使ってです。 住民が死にかけているのもお構いなし。 これが「公共」の
  名前を借りてやったことです。 ・・・・・ これが1995年1月18日の実態です。

★隙間だらけの政治
  ・・・・しかし被災地を歩いているうちに分かったのは、行政のやることには隙間があるどころか、公的支援が全くなされていない
  せいで、全部が隙間だったことです。 いったいこの国は何なんだ、市民のことを考えている国なのかと考えざるをえなくなりま
  した。当時の総理大臣は、社会党の村山富市です。 彼は「社会主義国ならいざ知らず、日本は資本主義国なので、公的援助
  はなじまない。他の資本主義もそうだ」というようなことを言いました。

★市民にとっての「有事法制」づくり
  2003年5月、いわゆる「有事法案」が成立し、翌6月には「有事関連七法案」が成立しましたが、こんなものは、肝腎の日本の
  市民のためになりません。 根本から考え直すべきです。 理由は二つです。
    
  第一に、ここで想定される「有事」とは米軍絡みであって、そこにさらに自衛隊が絡み、米軍・自衛隊の「有事」に際しての活動を
  円滑にするための法制づくりだからです。・・・・・・「有事法制」に反対する二番目の理由は、市民の生命・安全を確保するための
  法制度作りがないがしろにされていることです。 現実は米軍先行で、まるで本末転倒です。

  ・・・・・私は市民の生命・安全を確保する「市民安全法」の法制度を持つべきだと考えます。 その基本的な理念とは、
  市民が軍や官にただ「保護」されるべき存在なのではなく、自らが人権と主権を持つ存在だということにあります。 
  そして「市民安全法」は、軍・官に対する命令拒否権、中立権、「非武装都市・地域」宣言権、敵・味方の軍・官に対する
  抵抗権、自主交渉権、自由独立権、さらに場合によっては、白旗を掲げて生命・安全の確保を図る「白旗権」といった
  権利を基本とするものです。


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 参考:

 ・有事法案    1.自衛隊法改正案  2.武力攻撃事態対処法案   3.安全保障会議設置法案

 ・有事関連七法案  
   <主に外国からの攻撃の排除を目的とするもの>
    1.外国軍用品等海上輸送規制法    2.米軍行動円滑法    3.改正自衛隊法    4.交通・通信利用法
   <有事の際の>
    5.国民保護法      6.国際人道法違反処罰法     7.捕虜等取り扱い法