http://news.yahoo.com/s/time/20081226/us_time/08599/186836700

 1兆ドルかかったブッシュのテロとの戦い:当初の予想よりコスト高
  マーク・トムソン/ワシントン-20008/12/26
 
 ブッシュ大統領のテロとの戦いが米国納税者に1兆ドル-そしてさらにそれ以上-かけさせることになるだとうとのニュースは、
 目下の経済危機の折りもあってクリスマス気分を盛り上げそうにもない。
最近の3つのレポートは-どれもブッシュ政権による
 ものではないが-オバマ
が就任したら間もなく、9/11に始められた戦争の費用が1兆ドルの大台を超すことになるということ
 を示している。

 インフレ分を調整してもこの額は、アメリカが第1次大戦にかけた戦費の4倍、そして1991年の湾岸戦争の戦費
 (その90%はアメリカの同盟諸国が支払った)の10倍以上である。 テロとの戦いは、朝鮮戦争とベトナム戦争を
 合わせた戦費を超えることになりそうで、3.5兆ドルかかった第2次大戦に次ぐものとなる。


 一人の兵士を1年間アフガニスタンやイラクに派兵する費用は約77万5千ドルで、これは近年の他の戦争におけるコストの
 3倍であると、民間機関ながら権威のある、センター・フォー・ストラティージック・アンド・バジェタリー・アセスメント(CSBA:
 Center for Strategic Budgetary Assessments)が出した最近のレポートにある。

 戦費の増大の多くは、ブッシュ政権が戦争の経費を支払うために利用し続けてきている有事法案の中に、新しい
 軍事ハードウェアを政権が押し込んでいる結果である。


 むろんこれらのコストは、現地の戦闘で命を落とした5000名近くのアメリカ兵-負傷兵は言うまでもなく-および死傷者すべて
 の家族たちが払った代価に比べれば、見劣りがするものである。しかしブッシュ大統領は、彼らの犠牲とこの戦争にかけた
 支出は、9/11の再発を防ぐのに役立ったと主張している。 「我々はテロリストたちが再び攻撃するのを待つ余裕はありま
 せんでした」とブッシュ大統領は先週、陸軍大学校にて述べた。 「だから我々は海外にいるテロリスト
 たちと戦い、彼らのネットワークを解体し、その財源を断ち、先導者を見つけ出して正義の裁きを受けさせるために、世界の
 有志連合諸国と共に掃討作戦を開始したのです。」

 しかし多くのアメリカ人は、CSBA報告および会計監査員と連邦議会のリサーチ・サービス(CRS:Congressional Research
 Service)が出した同様な見積もりの結論に、一瞬張り付くかもしれない。 というのは、すでに使われた1兆ドル近くは、この
 戦争の長期コストの頭金に過ぎないということが明らかだからだ。 この1兆ドルという数字にはたとえば、数千人が負傷
 により足が不自由になっている退役軍人の長期医療死や、戦費をまかなうための政府の借金にかかる利子の支払い
 は含まれていないからだ。


 これらの調査見積もりが重要視する点は次のように異なる。 すなわちCSBAの調査ではこれまで9040億ドルが使われたと
 いうが、GAOの調査では今年の9月末でペンタゴンだけで8080億ドル使ったとする。 CRSの調査ではこの戦争には8640億
 ドルかかったとするが、ただしこの調査はインフレを計算に入れてなかった。

 CSBAの調査はペンタゴンのデータからふるい分けして、戦争の全コストのうちイラク戦には6870億ドル、アフガン戦に1840億
 ドル、そして国家の安全保障に330億ドルがかかったと分析する。 2018年までには、どれくらいの米軍がアフガンとイラクに
 残っているかにより、1兆3千億ドルから1兆7千億ドルの間になりそうだと見積もられている。 今の戦争が借金で行われている
 と仮定しても妥当であろうが、その仮定であれば2018年いっぱいの利子の払いがさらに6000億ドル追加となり戦費を押し上
 げる。

 イラク戦争が始まる少し前、ホワイトハウルの経済顧問ラリー・リンジーがこの戦争はひょっとしたら2000億ドルもかかるかもしれ
 ないと述べたとき、政権内の者にこう反論された。 「これから行おうとしている戦争と戦闘がどれだけのコストになるかはまだ
 分からない」とラムゼフェルド国防長官は言った。 「2日か、2週間かあるいは2ヶ月となるかは誰にも分からない。2年続かない
 のは確かだ。」

 CSBAの調査によれば、政府はこの戦争の本当のコストを次ぎの2点でごまかした。 戦費をまかなうために借金をすることは
 少なくとも短期的には安く戦争を行う1つの方法だ。 しかしそれと同様に悪かったことは、政府が採った戦費調達のための
 新方法だ。これまでの戦争は、年次予算配分というプロセスを通してまかなわれ、臨時出費-それは連邦議会での精査をさほど
 受けない-は、戦争の初期段階にのみ使われた。 しかしブッシュ政権は戦争をまかなうため、アフガニスタン侵略後7年、イラク
 侵攻後5年となる2008年までずっと、そのような補正予算に依存したのだ。

 「この二つの戦争のため、我々は過去の戦争の場合よりもはるかに長い間、補正予算に依存してしまった」と、ワシントンの国防
 予算に関する専門家のトップのひとりである、CSBAのスティーブン・コジアクは語る。 「同じように、これ以前の戦争にそうした
 よりももっと多くの経費を、今度の戦争をまかなうため借金に依存した。これは我々が支払わねばならない最終コストを増大させ
 ることになりそうだ。」

 戦争の総経費を明かすのをこのように拒むと、連邦予算の他の項目で愚かな支出や、不注意な減税が生じることになりかね
 ない。 「健全な予算編成は、政策選択の本当の経費を議員たちに認識させるものだ」と、コジアクは付け加える。 「我々は税金
 を上げなかっただけでなく、減税を行い、支出をかなり拡大してしまったのだ。」

 重要な点はこうだ。 「今後の防衛支出に関するブッシュの見積もりは、オバマ政権下のペンタゴン運営にかける税金を「相当低く
 見積もっている」とコジアクはレポートで述べている。  幸い、ロバート・ゲイツ国防長官はこの問題を円滑に解決しようと、取り
 組みを引き延ばしするつもりでいる。