■ 「アメリカのまねはもうやめなさい        経済同友会終身幹事 品川正治さん (84歳)
                                                       (『週間朝日』 2009/3/6)
  
   これから世界が多極化、無極化に進んで行くとも言われるなかで、日本がどう対処していくか、
   自分の頭で考えなければならない。「日本型の新しい資本主義」を作り出す必要があるわけです。

   その際には、アメリカ型がいちばん合わないはずです。小泉・竹中路線が始まってから、構造改革派の人たちは、
   「日米で価値観を共有している」と言い続けてきましたが、本当にそうでしょうか。
   
   世界でたったひとつ、原爆を落とされた国が日本で、たったひとつ、落とした国がアメリカです。
   憲法9条を持つ国と軍事国家が価値観が一緒なんて、そもそもあるわけがない。

   日本は経済においても覇権主義的な姿勢をとってはいけない。
   覇権を求めるなら、他の国に経済侵略をする以外に方法はないわけですから。

   日本型の新しい資本主義とは、一言で表現すれば「人間の目で経済を見る」「人間を大事にする」ことに尽きます。
   すでに日本は、戦争を人間の目で見ているんです。
   核を知り、一瞬で10万人単位の死傷者が出ることを知ると、戦争なんで、できるわけないじゃないかと。
   それに対して、どんな国でも、戦争は国家の目でしか見られない。国家にしてみたら必要悪です。
   国連でさえ国連軍という規定を置いているわけです。

   だから、資本主義の型においても、国内産業の保護を絶対的な目的とした過度の関税をはじめ、
   力でしか門戸を開けられない、戦争で解決せざるを得ないような格好になるのだけはやめてほしい。
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   たとえば、アメリカ型の場合、企業がある程度の内部保留を持っていれば、「それだけの資金があったら、
   どうして他社を買収しないんだ」という感覚でしょうが、これからは、いままでの計画はご破算にして、
   この態勢のなかでどう使うべきか、考えるべきです。
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   企業はなぜ成長を求めてしまうのでしょう。保険会社がわかりやすいのですが、大きくするために犠牲が出る
   わけですよ。利益だけを追求するアメリカ型のやり方によって、従業員や下請けをはじめステークホールダー
   (利害関係者)全体の幸せを無視することは致命傷になります。非正規の従業員や下請け、孫請けなどと
   弱い順にいじめていく手法は思い直してほしい。
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   いまがチャンスですよ。「人の目で見る資本主義」は、わたしの念願なんです。