「宇宙を戦場にするな」 (梅林宏道さん)「核兵器・核実験モニター」No.274より一部改編
 
   先鞭をつけた米国の衛星攻撃兵器
      
     2007/1/12
(中国現地時間)、中国が自国の人工衛星を弾道ミサイルで攻撃、破壊する実験を行って成功した。・・・
     これに
先だって、06年9月には、米国の人工衛星が中国の地上基地から強力なレーザー照射を複数回受けていた。
    
 これらは、人工衛星破壊兵器(ASAT兵器)と呼ばれる宇宙兵器の実験である
  
     米国はすでにASAT実験を行っていたことを忘れてはならない。 米国は1985年に自国の衛星を破壊する実験を
     行った。 また1997年には化学レーザーを照射して衛星を破壊する実験を行った。 それにもまして重要なのは、
     
すでにブッシュ大統領がアラスカとカリフォルニアに初期配備した地上発射の弾道ミサイル防衛の
     迎撃ミサイルは、いつでもASAT兵器として使えることである。


   宇宙汚染
     
     2月10日の宇宙標準・技術革新センター(CSSI)の報告によれば、今回の中国の実験によって破壊された
     衛星の破片は、追跡可能な大きさ(約10cm以上)のものが 706個に達しており、NASA(米国国家航空宇宙局)
     はさらに、200個は追加して特定されるだろうと述べている。 そして、この「破片」汚染は、一度に発生した歴史史上
     最大の記録であるという。 また日本の地球観測衛星「だいち」に、1.4kmまで接近する軌道をもつ破片が特定され
     ている。 10cmの破片でも、衝突すると「だいち」は破壊される。

     米国のものであるにしろ、中国のものであるにしろ、
破壊された衛星の無数の破片は、宇宙空間に広く散らばって
     地球を周回している。 その中には有毒物質が当然含まれているであろう。 これは、大気圏核実験が地球全体を
     汚染したのに匹敵する愚行である。 それを知りつつやってしまうところに、「軍備競争」の恐ろしさがある。