日本の軍事費 2010
―「市民による軍事費仕分け」結果報告―
杉原浩司
「核とミサイル防衛にNo!キャンペーン」
3月24日(水)の参院本会議で2010年度予算が成立しました。軍事費は、兵器導入の根拠となる「防衛計画の大綱」改定が1年先送りされたにも関わらず、「指針なき軍備増強」(半田滋さん)がまかり通りました。
「我が国の防衛と予算〜2010年度予算の概要」
(防衛省ホームページより)
http://www.mod.go.jp/j/library/archives/yosan/2010/yosan.pdf
2月5日に「市民による軍事費仕分け」を行うなど、政府与党に予算削除を要求してきた者の一人として、強く抗議すると同時に、私たちが「不要」と判断した予算の執行停止を求めます。
「市民仕分け」終了後に、政府与党の予算編成関係者(北澤俊美、榛葉賀津也、長島昭久、楠田大蔵、鳩山由紀夫、岡田克也、菅直人、藤井裕久、仙石由人、枝野幸男、蓮舫、田嶋要、福島瑞穂、阿部知子、亀井静香)に提出した「評価シート」(集会参加者に記入してもらったものも併せて提出)等を貼り付けましたのでご参照下さい。
◇なお、この間の経過と課題について『ふぇみん』(3月15日/2918号)に「市民が軍事予算を事業仕分け」という文章を書かせていただきました。Q&A形式で読みやすいものですので、よろしければご参照下さい。
3月15日号目次 http://www.jca.apc.org/femin/digest/20100315.html
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◆「指針なき軍備増強」予算に抗議し、
以下の予算削除ないしは執行停止を求めます。
【評価シート】
<市民による事業仕分け――2010年度防衛予算を斬る!>
(2010年2月5日、東京・富士見区民館)
【案件1】
PAC3用改修費(639億円)等「ミサイル防衛」経費:1,225億円=不要
【理由】(仕分け人:杉原浩司)
(1)新政権は「防衛大綱」改定と「中期防」策定を2010年末まで1年先送り。予算編成の暫定方針でも「現大綱に基づく」と明記。PAC2のソフトウェア更新名目でPAC3への対応をも可能とする改修は、事実上のPAC3先取り配備であり、現大綱を逸脱する。
(2)社民党はMD反対、民主党も政策集に「抑止的・政治的効果や、日米同盟強化、技術的可能性、費用対効果など総合的検討を加える」と明記。麻生政権の09年4月のMD初発動はじめ、MD導入プロセスの検証が先決。
(3)オバマ政権の欧州MD計画見直しで、日米共同開発中の能力向上型SM3ミサイルが、今後の欧州MDの柱に。ミサイルの欧州輸出により、武器輸出禁止三原則が骨抜きになる恐れ。米国向けミサイルの迎撃も可能とされ、違憲の集団的自衛権行使の懸念も。
【案件2】
大型ヘリ空母(ヘリ搭載護衛艦)建造費:1,208億円=不要
【理由】(仕分け人:木元茂夫)
(1)大型ヘリ空母は護衛艦「しらね」の後継とされるが、基準排水量で4倍、建造費も3倍に達しており、能力面からも後継ではなく、大幅な能力強化。「現大綱に基づき」「装備品の更新」を掲げる暫定方針を逸脱する。
(2)「災害派遣」を建造目的として強調するなら、災害救援を目的とした専用船を建造する方が、コスト面でも、周辺国による「軍備増強」懸念を払拭できる点でも有益。
(3)96年の大型揚陸艦「おおすみ」の建造が、日本の艦艇大型化の先駆けとなり、中国や韓国等の懸念を呼び起こした。東アジアの建艦競争に終止符を打つために、更なる大型艦の建造計画は凍結し、軍縮の呼びかけを。
【案件3】
海兵隊グアム移転費(472億円)を含む「米軍再編」経費:1,489億円=不要
【理由】(仕分け人:山口響)
(1)米国でのグアムの環境アセスメントも、それを受けたマスタープラン作成も終わっていないにも関わらず、海兵隊グアム移転経費を日本が支出するのは明らかにおかしい。
(2)米軍再編計画は全体が一つの「パッケージ」とされていた。辺野古への移設方針が頓挫しつつある現段階では、本来、グアムへの移転計画を進めることはできないはず(一方で米国自体が、座間への第一軍団移転を大幅縮小し「パッケージ」を守っていない)。
(3)岩国への空母艦載機移駐は、06年住民投票での圧倒的多数の反対により不要である。
(4)新政権が「米軍再編と在日米軍基地のあり方の見直し」を掲げていたにも関わらず、米軍再編経費を増額したのは、明らかに公約違反。
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【予算編成のあり方、「防衛計画の大綱」改定に関する提言】
(1)今後の「事業仕分け」において「装備品の調達」を「政治判断に委ねる」ことなく、案件としてきちんと扱うこと。民間からの仕分け人に軍縮NGO等の人間を入れること。
(2)年末の予算案編成の最終過程を、旧来通りの密室下に置くのではなく、開かれた透明なものとすること。
(3)予算審議は形骸化している。予算審議において、一部予算の削除、修正、組み替えを柔軟に行えるよう、審議のあり方を改善すること。
(4)「防衛計画の大綱」改定作業において、「有識者懇談会」を構成する「有識者」の選定基準や選定理由を明示すること。懇談会に立場の異なる多様な「有識者」を入れるとともに、その議論を全面公開すること。
(5)大綱改定において、地方・中央・東北アジアにおける公聴会、参考人質疑、タウンミーティング、パブリックコメント等を組み込み、市民に開かれたプロセスとすること。
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【主催】「防衛予算仕分け」市民集会実行委員会
[呼びかけ団体]核とミサイル防衛にNO!キャンペーン
ピープルズ・プラン研究所
新しい反安保行動をつくる実行委員会
[連絡先]ピープルズ・プラン研究所
東京都文京区関口1-44-3 信生堂ビル2F
(TEL)03-6424-5748 (FAX)03-6424-5749
(E-mail)ppsg@jca.apc.org
(参照)
http://www.anatakara.com/petition/
citizen-assessment-of-2010-defense-budget.html
「市民による事業仕分け ――
2010年度防衛予算を斬る!」
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アメリカのMD予算2009・2010 http://www.space4peace.org
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June 2009 2009年6月
Missile
Defense Programs in Fiscal Years 2009 and 2010 Budgets
2009・2010会計年度予算におけるミサイル防衛計画
Cole
Harvey
Arms Control Today
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http://www.armscontrol.org/act/2009_6/MissileDefense
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The fiscal year 2010 Department of Defense budget request, released in
May, provides additional detail on the Obama administration's refocusing
of U.S. missile defense efforts. Secretary of Defense Robert Gates outlined
the reorientation at an April 6 press conference. (See ACT, May 2009.)
5月に発表された、2010年の国防総省による2010会計年度予算要求は、ミサイル防衛構築にオバマ政権が再び重点を置こうとしている点についてさらに詳細な情報を与えるものだ。国防長官ロバート・ゲイツは4月6日の記者会見で、その新たな方向性を概略した。
The revised approach emphasizes
terminal-phase missile defense programs over midcourse and boost-phase ones.
The following table compares major missile defense programs in the fiscal
year 2010 request with requests and appropriations from fiscal year 2009.
見直しによる新たなアプローチでは、終末段階弾道ミサイル防衛計画を、中間段階と上昇段階のそれよりも優先させることが強調されている。下の表は2010会計年度におけるミサイル防衛予算要求を、2009年の要求と配分と比較している。
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FY 2009 Request
2009会計年度予算要求
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FY2009 Appropriation
2009年
予算配分
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FY 2010 Request
2010会計年度要求
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Percent Change in Requests
予算要求の
前年度比(%)
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thousand dollars (単位::千ドル)
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Aegis Ballistic Missile Defense
イージス弾道ミサイル
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1,157,783
11億5,778万3千ドル
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1,113,655
11億1,365
万5千ドル
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1,690,758
16億9,075
万8千ドル
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46
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Terminal High Altitude Area
Defense
終末高高度防衛
(THAAD)
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864,899
8億6,489万9千ドル
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753,189
7億5,318万9千ドル
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665,455
6億6,545
万5千ドル
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-23
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Ground-Based Midcourse Defense
地上発射型
中間段階防衛
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2,076,662
20億7,666万2千ドル
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1,507,481
15億748万1千ドル
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982,922
9億8,292万2千ドル
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-53
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Airborne Laser
空中配備レーダー
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421,229
4億2,122万9千ドル
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400,751
4億75万1千ドル
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186,697
1億8,669万7千ドル
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-56
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Kinetic Energy Interceptor
運動エネルギー
迎撃ミサイル
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386,817
3億8,681万7千ドル
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385,493
3億8,549万3千ドル
|
0
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-100
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Multiple Kill Vehicle
多弾頭迎撃
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354,455
3億5,445万5千ドル
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283,481
2億8,348万1千ドル
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0
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-100
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Sources: Fiscal years 2009 and
2010 Missile Defense Agency budget justifications, Office of the
Undersecretary of Defense (Comptroller) Web site.
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http://www.epsusa.org/publications/newsnotes/2010/feb10.htm
<Economist for Peace &
Security> NewsNotes: Feb.2010
「平和と安全保障を求めるエコノミスト(仮称)」
2010年2月インターネット配信記事
EPS Fellow Bill Hartung's recent
letter to the editor of the New York Times, concerning why military spending
should not be exempted from the budget freeze, was printed February 9 and
posted online the following day:
EPS (平和と安全保障を求めるエコノミスト)の特別会員、ビル・ハータングが最近、なぜ軍事費を予算凍結から免除すべきでないかについて、ニューヨーク・タイムズ編集長宛てで書いた投書は、2月9日で紙面に掲載され、翌日インターネット版で掲載された。http://www.nytimes.com/2010/02/10/opinion/lweb10military.html?ref=opinion
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February 10, 2010 Letter
Cutting
Defense Spending 防衛費の削減
To the Editor: 編集長宛て
Re "Mr. Obama's New
Budget" (editorial, Feb. 2):
「オバマの新会計年度予算」(2010年2月2日社説)に関して
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The details of President Obama's budget underscore the fact that military
spending should not be exempted from his cap on discretionary spending.
At $738 billion, spending for military purposes is in a virtual tie with
Social Security for the largest single item in the federal budget.
オバマ大統領の(2010会計年度)予算の詳細は、裁量的歳出への上限枠設定から軍事支出を免除すべきではないという事実を強調します。7,380億ドルの配分となった軍事目的支出は、連邦予算における単一会計項目の最高額として、社会保障費に実質匹敵する額です。
Less than one-quarter of that amount is devoted to financing the wars
in Iraq and Afghanistan, leaving plenty of places to cut without slowing
the flow of resources to troops in the field.
その額の4分の1未満が、イラクとアフガニスタンのそれぞれの戦争をまかなうことに使われますが、戦場にいる我が軍への物資の流れを遅らせることなしに、予算削減を行うべきところは沢山あります。
Given the Pentagon's history of inefficient operations, vast cost overruns
and financing for weapons systems that have no possible application to
current or future conflicts, it is simply unacceptable to give it a free
pass in efforts to slow the growth of federal spending.
非効率な運営、経費の大幅超過、そして現在および将来の紛争に適応の見込みがまったくない兵器システムへの税金投入という、国防総省がこれまでしてきたことを考えると、連邦歳出の増大を押さえようとしながら軍事支出にフリーパスを与えることは、ただ単に受け入れられません。
William D. Hartung
ウィリアム・D・ハータング
New York, Feb. 2, 2010
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The writer is director
of the Arms and Security Initiative at the New America Foundation.投書者は、ニュー・アメリカ・ファウンデーションのアームズ・セキュリティー・イニシアチブ理事
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(任意参照)
1)
http://www.anatakara.com/petition/seoul-denies-plan-to-participate.html
ミサイル防衛検討報告は、対脅威戦略に連結
Missile Defense Review Links Strategy to Threats
by Jim Garamone
WASHINGTON, Feb. 1, 2010
本日発表された、弾道ミサイル防衛見直しにより、米国ミサイル防衛体制は近い将来のミサイルによる脅威に備えるようになり、限られた長距離ミサイル攻撃に対する祖国防衛能力を維持する、と国防次官政策担当ミッシェル・フロノイは語った。.............
2)
http://www.anatakara.com/petition/the-other-story-of-missile-defense.html
ミサイル防衛:もう一方の計画 GNニュース 2009/9/19
Missile Defense: The other story by Bruce Gagnon
http://space4peace.blogspot.com
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ゲーツと彼の配下の将軍たちが述べたように、オバマの新たなミサイル防衛計画は3つの段階の進行につれ見えてくるだろう。2011年までには国防総省は、SM-3迎撃ミサイル搭載の米海軍イージス艦を地中海東に配備する。
2015年頃に行われる第2段階では、同盟諸国に、性能が向上した地上配備型のSM-3を配備するのだが、ポーランドとチェコ共和国とは、両国内にそのミサイル基地を置くことに関し、現在話合いが行われている、とゲーツは語った。
2018年の第3段階では、より大きく、より能力のあるミサイルが配備され、このシステムにより、短距離、中距離ロケットに、そして最終的には大陸間弾道ミサイルに対し、ヨーロッパと米国を守ることができるようになる。..................................
国防総省は2010年予算要求で、250のスタンダード・ミサイル3を計上している。そしてまた、SM-3の発射装置を装備した駆逐艦の数を21から27に増やすことも求めているし、さらに、戦艦を向上させ、新たな地上配置型ミサイルを開発するためのソフトウェアとハードウェアの開発用に、16億ドルを要求している。..........................
オバマがロシアとの直接対決から後ずさりしつつあるとみえようとも、実際には彼は、地上型よりも有望な、海軍のイージス艦ミサイル防衛システムを拡大するように動かねばならないと、ここ数年そのように主張している国防総省の主導に従いつつあるのだ。
この新計画はすでに、アジア太平洋地域で急激に拡大されてきており、そして今後、ヨーロッパでの運用拡大が予定されている。
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