http://www.nenasili.cz/en/2865_the-way-is-now-open-for-a-nuclear-weapon-free-zone-in-northern-europe
 The way is now open for a nuclear-weapon-free zone in Northern Europe

 北欧での非核兵器地帯への道、開かれる
   ( 2009/1/29 - コペンハーゲン大学ジョン・エイブリー)


  2000年の第50回パグウォッシュ会議で、ジョン・ホールデンはこう言った。「急速に変遷する世界に、我々は確かに
 今暮らしているのだが、そこでは核兵器の必要性についての体制側のコンセンサスが急速に砕ける可能性もある。」 
 今、ジョンの予言が現実になりつつあるようだ。

 実際、平和運動が常に掲げてきた見解に、体制側が近づきつつあるしるしも見られる。その見解とは、核兵器は
 必然的に大量虐殺を行うものであり、不法であり、文明に値しないものであるということ、核兵器は可能な限り
 早急に完全廃棄されねばならないということである。核兵器のない世界を目前の将来において達成することは可能
 であり、またそうせねばならないという、世界的なコンセンサスが急速に広まりつつある。

 この変化を最初に示したもののひとつは、ウォール・ストリート・ジャーナル誌にシュルツ、ペリー、キッシンジャー、
 ナン氏らが寄せた、かの有名な核兵器の完全廃絶を唱える記事であった。それに続いてすぐに、ゴルバチョフ氏に
 よる支持意見が同誌に掲載され、さらに有名なイタリアの政治家たちの見解が出された。他方で、これに先立ち
 2007年10月、フーバー研究所は「レイキャビク原点の再来」というテーマのシンポジウムを手配していた。核兵器の
 ない世界へと少しずつ近づきつつあったのだ。

 イギリスでは、マルコム・リフキンド上院議員、ハード上院議員、オーエン上院議員(すべて元外務大臣)が、元NATO
 事務局長のロバートソン上院議員と共に、タイム誌に核兵器全廃を唱える記事を掲載した。イギリスの国防長官、
 デス・ブラウンは、ジュネーブでの軍縮会議でスピーチし、核兵器所有国が実務問題で協同できるように、イギリスが
 「2010年の次回NPT(核拡散防止条約)再検討会議の前に、核軍縮の実証に関するP5核研究室の実務会議を開催」
 すると提案した。

 2008年2月、ノルウェー政府は「核兵器のない世界ビジョンの達成」をテーマに国際会議を開催した。一週間後、
 ノルウェーのストーレ外相はこの会議の結果報告書をジュネーブ軍縮会議に提出した。

 2008年7月11日、カナダでのパグウォッシュ会議におけるスピーチで、ノルウェーのエリクセン防衛大臣は、核兵器
 の完全廃絶に対する、ノルウェーの強い支持を繰り返した。

 このコンセンサスの広がりに同調する声は、地位ある他の政治家たちからも上がった。ニュージーランドのルッド首相
 は、広島の平和博物館を訪れ、そこで核兵器廃絶を唱える力強いスピーチを行った。のちに彼は、ニュージーランドと
 日本で共同開催する、核の不拡散と軍縮に関する国際会議を設立した。

 2009年1月9日、4人の有名なドイツ政治家(ヘルメルト・シュミット、リチャード・フォン・ウェイザッカー、エゴン・バール、
 ハンス・デイトリッチ・ゲンシャー)が、インター・ナショナル・ヘラルド・トリビューン誌に「核兵器のない世界に向けて:
 ドイツの一見解」の記事を載せた。その記事にて彼らが奨める、今すぐできる手順のうちに次のものがある。

 ・「核兵器のない世界ビジョン」が再燃せねばならない
 ・「核兵器数の大幅削減を目指す交渉が開始されねばならない」
 ・「米国は包括的核実験条約を批准するべきである」
 ・「全ての短距離核兵器は破棄されねばならない」
 ・「
反大陸弾道ミサイル条約が修復されねばならない。宇宙は平和目的に限り利用してよい

 北欧における1つのNFZ(非核兵器地帯)の立場からすれば、全ての短距離核兵器は廃棄されるべきだという提言が、
 特に興味深い。現在オランダ、ベルギー、ドイツに配備されている米国の核兵器は、これらの諸国が実質的に北欧NFZ
 の一部(現在のところ)になるのを妨げている。しかし米国でオバマ新政権が誕生し、ジョン・ホールデンがオバマ大統領
 の顧問となったため、この状況は急速に変わるかもしれない。世論と政府声明のどちらも、米国の戦術核兵器を
 ヨーロッパから取り除くことを支持している。 実際にそれらの兵器を保有すべしと主張するのは唯一NATOであり、
 その頑固な主張では、核兵器はもっともらしい機能をひとつも持たないけれども、それでも同盟を固める「核の接着剤」
 として機能する、というものだ。

 ヨーロッパからの米国戦術核兵器の除去を最も強く訴えるものは、崩壊の怖れのあるNPTである。 2005年のNPT
 再検討会議はひどいものだった。そして核所有国(NWS)の特別な地位、およびそれらの国が第6条にある責任を果た
 していない事実のため、来る2010年の再検討会議においてNPTがすっかり崩壊するという危険性もある。NATOの現在
 の核兵器政策もまたNPTに違反しており、この違反を正すことが2010年の再検討会議を失敗から救うのに役立つと
 思われる。

 現在、米国核兵器が配備されているヨーロッパ諸国における空軍基地では、核兵器による攻撃訓練を定期的に行って
 いる。これはNPTの理念に違反しており、そしてまたおそらく、所有国から非所有国への核兵器の移送を禁じる第4条の
 文言にも違反するだろう。「核共有」論者は、そのような移送は緊急事態においてのみ行われようと主張するが、NPTの
 文言には同条約が全ての状況下において遵守されるわけではない、とする下りはひとつもない。さらにまたNATOは、
 「核共有」を断念することで損害を受けるよりはむしろ改善されるだろう。

 オバマ大統領が選挙公約の実現を願うならば、もし彼がNPTを救いたいならば、まず第一歩としてヨーロッパから米国
 の戦術核兵器を取り除くことが合理的であろう。それがその次に、オランダ、ベルギー、ルクセンブルグ、デンマーク、
 ノルウェー、スエーデン、フィンランド、 ドイツ、ポーランド、リトアニア、ラトビア、エストニアからなる北欧諸国における、
 非核兵器地帯を実現する道を開くだろう。我々市民の最終ゴールは、核兵器の完全廃絶であり、またそうあり続ける。
 しかしその道程に沿ってNFZが段階的に行われていかねばならない。