http://www.space4peace.org/articles/debris_facts.htm
August 2005
Space Debris CDI Fact Sheet
Theresa Hitchens thitchens@cdi.org
地球を取り巻く軌道にある物体の数が増加するにつれ、偶然に衝突する見込みもまた増大
する。現在のところ、リストにある物体間のニアミス(1キロメートル未満に接近)は
毎日、数百ずつ生じている。もし今後、宇宙船やロケット本体が、その時のミッション
終了後、妥当な時間内、すなわち25年以内に地球低軌道(Low Earth Orbit)から回収
されないのであれば、不測の衝突の割合は今世紀後半には、飛躍的に増大する。
The Orbital Debris Quarterly News,�April 2005, NASA Orbital Debris Program Office,
Johnson Space Center Houston, Tex. 2005年4月NASA、テキサス、ヒューストン、
ジョンソン宇宙センター、スペース・デブリ計画オフィス(Orbital Debris Program Office)
(http://www.orbitaldebris.jsc.nasa.gov/ )
宇宙に飛び出しつつある諸国はスペース・デブリにより引き起こされる危険を十分認識
している。その危険とは、活動をおえている人工衛星から廃棄されたロケットの切り離
し部分、軌道に残されたナットとボルトに至るまでである。スペース・デブリは、世界
全体で宇宙使用すれば必ず生じる結果である。宇宙に何か打ち上げるたびに、何らかの
量と形のデブリを作り出すことになる。それはちょうど、地球上のあらゆる種類の交通
輸送体系が、何らかの量と形の公害を生じるのと同じである。
ペンキがはげた細片やボルトのように小さなものでも、すべてが人工衛星や宇宙船に損害
を与えたり破壊したりする威力があるが、これは周遊物体の持つ途方もないスピード
(地球低軌道において、秒速で約10キロメートル=時速約36,000キロメートル)のためで
ある。宇宙科学者は例外なく誰もみな、スペース・デブリはすでにもう、たくさんあり
すぎる、特に最も使われている軌道においてはそうであるという点で同意している。
不運なことに、スペース・デブリの量は、人工衛星が提供する経済的・軍事的利得を
求める国家や民間会社が増えるにつれ、減少することがなく増える一方である。
実際、スペース・デブリは現在非常に憂慮すべきものになっているため、NASAが音頭を
とって定期的な宇宙活動の期間にデブリを生むのを最低限にすることを狙った、宇宙活動
のための国際的な、国連認可のガイドラインを作ろうとする努力が行われている。
こういう理由のため、米空軍が現在、宇宙制覇と宇宙支配と自らが呼ぶものを打ち立て
ようとする思惑で、スペース・デブリを莫大に生むであろう対人工衛星兵器(anti-satellite
weapon:ASATs)の使用の可能性を考慮しているのは、懸念すべきである。米空軍の文書に
あるその将来ヴィジョンには、地上・空中・宇宙に配備したレーザーシステムに加え、
高速での衝突の衝撃を通じて標的を無数の細片に砕く、空中配備ミサイルや地上および
宇宙配備の対人工衛星兵器を使って、敵の人工衛星を不通にさせたり破壊させたりする
構想があるが、それでは人工衛星を細片化した宇宙ゴミの巨大な塊にしてしまう。
デブリが生じている現在のスピードを落とさなければ、宇宙のあちらこちらで人工衛星が
飛ぶのが非常に危険になってしまうということを科学者達がすでに懸念しているときに、
自らの宇宙支配兵器の中にデブリを生む兵器を入れようとする、米空軍の諸計画は、
少なくとも近視眼的であると思われるし、また最悪では故意に怠慢であるように見える。
米国の軍隊が、通信から、宇宙からみた地球の映像、米国のGPS人工衛星ネットワークが
提供する兵器用の高精度ガイダンスにいたるまで、宇宙から提供されるデータやサービス
においては世界最大の消費者であり、それゆえ反対に宇宙で(スペース・デブリにより)
失うものが一番大きい立場であることを考えれば、米空軍はその危険な戦略を考え直す
べきである
********* スペース・デブリについての幾つかの基本的事実 *********
・米空軍は現在、宇宙にある13,400の物体を追跡監視しているが、そのうちの現在稼働中
の人工衛星はわずか、6~7%に過ぎない。残りはすべてデブリである。
・現在の地上の能力では、全てのスペース・デブリの位置を特定して追跡監視することは
不可能である。世界で最高の能力を持つ米空軍のスペース・サーベイランス・ネット
ワークは、スペースシャトルや、国際ステーション(ISS)、ほとんどの地球画像衛星
(Earth imaging satellites)、携帯電話通信を提供する衛星がまわっている地球低軌道上
では、直径10センチメートル(野球の球の大きさ)より大きい物体なら検知できる。
そして、世界各国の通信、放送衛星が まわっている静止衛星軌道(GEO:Geosynchro-
nous Orbit)では、直径1メートルより大きい物体なら検知できる。
・より小さな、ビー玉サイズ(直径1センチメートル)ほどのもので軌道をまわっている、追跡不可能な
デブリは10万以上あり、さらにひょっとして、それより小さいデブリは何兆個もあるかもしれない。
科学者たちは、地球低軌道だけで、約400万ポンドの宇宙ゴミがあると見積もっている。
・デブリの小片であっても、人工衛星やスペースシャトルに被害を与えたり、宇宙飛行士の
スーツに穴をあけることが生じる。地球低軌道にあるデブリは、ライフル弾の10倍の
速度で回っている。ビー玉の大きさの宇宙ゴミが人工衛星にぶつかると、1トンの金庫
が5階建てのビルから落とされ地面にぶつかるのに等しい衝撃力になる。実際、ごく
小さなペンキの剥げ落ちた細片が、サリー・ライド(米国初の女性宇宙飛行士)の歴史
的な最初の飛行(1983年)の間に、チャレンジャーの窓に穴を開けた。
・宇宙ゴミの量は、年間の約5パーセントずつ増加しており、それはつまり今世紀の終わり
までには、静止衛星軌道にある人工衛星は、稼働する期間の間にゴミがぶつかる可能性が
40%になるということである。
・NASAの調査では、スペースシャトル事故を引き起こしそうな問題が20あるうちの
11はデブリによるものである。
・NASAのデータでは、デブリがシャトルにぶつかり惨事となる確立は、現在のところ
200分の1の割合である。これに比較すると、米国市民が交通事故により死亡する確立
は、一生のうちで100分の1、ピストルなど用いる攻撃により死ぬ確立は325分の1、
火事により死ぬ確立は、およそ1,116分の1である。
・地球低軌道にあるデブリは、やがて軌道からはずれていき、ほとんどは地球を取り巻く
大気圏で浮遊している(運悪く、時にはとても大きなデブリが実際に地球にぶつかるが、
無事に済んでいる)がその一方で、静止軌道にあるデブリは軌道にとどまり、それゆえ
永遠に宇宙船への脅威として、そこにある。
・1985年に米空軍のソルウィンド人工衛星に、米国のF15戦闘機からASATミサイル
を発射した実験では、その結果、250以上のデブリの破片を生みだし、それらが地球
低軌道から外に出るのに17年かかった。
(参考:ウィキペディアhttp://ja.wikipedia.org/wiki/ケスラーシンドローム *1985年9月、ソルウィンド衛星
を高度500kmにおいて衛星攻撃兵器の実験によって破壊し、初めて宇宙空間における超音速の物体
の衝突を観測した。)
そのデブリのうちの1つが、国際ステーションから1マイル以内の距離に接近した
のだ。
・宇宙へ物体を飛ばす諸国のほとんどは、国家の法律や規制の中に、デブリ創出を
制限するよう決められた、宇宙管理者への要求事項を入れている。NASAと連邦
通信委員会は、米国が現在、宇宙ゴミに反対する闘いにおいて、一番厳しい規制を
敷いているので、この分野でずっと他国を指導する立場である。
実際にこれまでみてきたように、宇宙の平和利用に関する米国委員会は現在、宇宙
のデブリの創出を遅らせようとの願いから、国際的な行動規範を進めようと努力
している。
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