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ミサイル防衛:もう一方の計画 GNニュース2009/9/19
Missile Defense: The other story
昨日、ポーランドへミサイル防衛システム迎撃ミサイルの配備を、チェコ共和国へ
スター・ウォーズ計画レーダーの配備を行おうとする、ブッシュ元大統領の計画を
中止するとのオバマ大統領の発表のあと、反対運動の勝利を宣言するEメール
や記事がネット上で舞い踊った。
両国にいる我々の友人の平和活動家たちが、それらの配備を止める
ため決然とした運動を行ったあとで、オバマのこの発表に対し祝杯を挙げるのは
実際、疑いもなく、もっともなことだ。
我々はまた、過去数年間の弱まることのない反対運動の間、彼らに連帯して運動
した世界各地の多くの市民の存在を認め、感謝する必要もある。
しかし喜びの一夜が明けた今、オバマ政権がこの次に何をするかについて、
もっとよく考えてみる時がきた。
私は政権についてからのオバマの動きを見守ってきたこの8ヶ月の間にもう、
彼が片方で何かを差し出すときは、他方の手が何を取り上げようとしているのか
見守ることが賢明である、ということを学んだ。
(チェコとポーランドでの配備計画を中止するという)9月17日のスピーチでオバマは、
ヨーロッパのための彼の政権による新たなミサイル防衛の構築は、「前(ブッシュ)
政権の計画よりももっと包括的」で、さらにNATOの関与によって「高められる」
だろう、と述べたのだった。
ロバーツ・ゲーツ‘戦争長官’(国防長官)が、今や取り消された、ポーランド
とチェコ共和国への配備計画に取って代わる、その新たなミサイル防衛の「構築」
の詳細を説明することとなった。
ゲーツは、ポーランドとチェコ共和国へのミサイル防衛システムの配備を3年前に
提案したのは自分であると述べた。その当初の計画はもはや、イランからの現在の
「脅威」にとっての最善の軍事体制の「構築」とはならない、と彼は結論づけた。
それゆえ、飛行中のミッドコース(*)にある攻撃ミサイルを目標とし、これまで
発射テストが何回も不成功に終わっているミサイル防衛迎撃ミサイルの代わりに、
国防総省は今、実証されたテスト成果をもち、また現在予想されているイランから
の脅威にもっと適切に備えるようなミサイル防衛システムを、北欧と南欧に配備
したがったのだ。
(*弾道ミサイルのロケット推進装置の燃焼終了時点から大気圏再突入直前までの、大気圏外経路)
情報部門の現在の評価では、Shahab-3のような、イランの短距離、中距離大陸弾道
ミサイルの脅威は、以前見積もられたよりも、もっと急速に高まっている」とゲーツ
は語った。「これはヨーロッパ大陸に駐留する我々の軍隊と、さらにまた我々の
同盟諸国にとり、より増大し、より迫った脅威を与えている」
さらにゲーツは続けた。「我々には今、ずっと向上したセンサーが誘導する地上配備、
および海上配備の迎撃ミサイルを使い、これらの(短距離)弾道ミサイルを打ち落とす
ことができる、実証された能力がある。このため我々は、チェコ共和国に計画されて
いたもののような、一つの固定されたレーダーではなく、むしろ各地に分布された
センサー・ネットワークを配備することができる。」
ミサイル防衛の迎撃ミサイルである、スタンダード・ミサイル(SM-3)を搭載した、
米海軍のイージス駆逐艦は、「一つの地域から別の地域へと迎撃ミサイルを動かす
柔軟性を与える」だろうとゲーツは言った。今後数年すれば、SM-3は性能が向上し、
地上配備システム同様に、ヨーロッパ中に配備となるだろう。
2007年より、SM-3は発射テストに8回成功しており、このうちの一回は、2008年2月
に落下してくる軍事衛星をSM-3ミサイルで迎撃し、その結果、これらのシステムが
対ミサイルだけでなく「対衛星」兵器ともなる能力があることを実証したと見る向き
も多かった。
(ゲーツの語るビデオクリップはこちら) http://www.youtube.com/watch?v=9vBF0OJskbY&feature=player_embedded
ロシアの最初の反応は良かった、予想どおりに。それはポーランドとチェコへの
ミサイル防衛システムの配備は、米国によるロシアへの先制攻撃後の、ロシアの
報復に対する盾として米国が使い得るものであると、ロシアが憂慮していたからだ。
しかしロシアの懸念がオバマ発表によって完全に消えたというわけではない。
ワシントンポストの今日の報道では
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2009/09/17/
AR2009091700639.html?hpid=topnewt&sid=ST2009091701841)、
核戦略のためのロシア軍の主要研究所(軍事アカデミー戦略核戦力研究所)の
主任研究員であった、ウラジミール・ドボルキン少将が、再編される米国のミサイル
防衛システムはなお、ロシアに新たな脅威となり得ると警告した。
「すべては、そのようなシステムの規模次第である」と彼はインターファックス通信に
語った。「もしその新たなミサイル防衛システムが、宇宙配備エシュロンを含んで、
多数の施設から成るものであれば、それはロシアの核抑止能力を脅かすものと
いえるだろう。」
ゲーツと彼の配下の将軍たちが述べたように、オバマの新たなミサイル防衛計画は
3つの段階の進行につれ見えてくるだろう。2011年までには国防総省は、SM-3迎撃
ミサイル搭載の米海軍イージス艦を地中海東に配備する。
2015年頃に行われる第2段階では、同盟諸国に、性能が向上した地上配備型の
SM-3を配備するのだが、ポーランドとチェコ共和国とは、両国内にそのミサイル
基地を置くことに関し、現在話合いが行われている、とゲーツは語った。。
2018年の第3段階では、より大きく、より能力のあるミサイルが配備され、
このシステムにより、短距離、中距離ロケットに、そして最終的には大陸間弾道
ミサイルに対し、ヨーロッパと米国を守ることができるようになる。
ブルーミング・ニュースの記事によれば
(http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=20601103&sid=aXU5ox7TB9i8)、
「この計画の転換は明らかにロッキード・マーチン社とレイセオン社に利益を
与えるものだが、喜ばしくないものになるのはボーイング社だ。」
「東欧において固定されたミサイル防衛基地を建設するという計画から撤退する
ということは、ゲーツ国務長官が主張していた、より柔軟で戦略的なミサイル防衛の
盾の構築計画を続行することだ」と、ニューヨークにある、マクウォーリー・キャピタル社
のアナリスト、ロブ・スタラードが述べた。
国防総省は2010年予算要求で、250のスタンダード・ミサイル3を計上している。
そしてまた、SM-3の発射装置を装備した駆逐艦の数を21から27に増やすことも
求めているし、さらに、戦艦を向上させ、新たな地上配置型ミサイルを開発する
ためのソフトウェアとハードウェアの開発用に、16億ドルを要求している。
さらにまた国防総省は現在ポーランドに対し、パトリオット・ミサイルは以前
計画されていたとおり、同国に配備されることになると約束している。
これゆえ結局私はこのオバマの計画を、技術上の問題が原因の、よくある戦略調整
だと見る。ポーランドとチェコ共和国に対する前ブッシュ政権の配備提案が、
まだ実証されていない科学技術を含むものであった一方で、柔軟で、より移動性の
高い、短距離ミサイル防衛システムに対し、現在ゴーサインが出されようとして
いるのがわかる。
オバマがロシアとの直接対決から後ずさりしつつあるとみえようとも、実際には彼は、
地上型よりも有望な、海軍のイージス艦ミサイル防衛システムを拡大するように
動かねばならないと、ここ数年そのように主張している国防総省の主導に従いつつ
あるのだ。
この新計画はすでに、アジア太平洋地域で急激に拡大されてきており、そして今後、
ヨーロッパでの運用拡大が予定されている。
ブルース・ギャグノン
コーディネーター
宇宙への兵器と原子力の配備に反対するグローバルネットワーク
http://www.space4peace.org
http://space4peace.blogspot.com
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